「ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント」を読んだ

「ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント」を読みました。 もともと、所属している会社の読書会の題材となったことにより、読了した本になります。 読書感想をアウトプットとして残しておきたいと思います。

正直な話、リッチが最初に言っているパーティションで区切られたエンジニア毎のスペースを体験したことがない。自分は最初タコ部屋のような場所で仕事していたせいもある。日本のオフィスは狭いのでパーティションで区切られたスペースが用意されないことも多いと思う。

リッチが書いている内容は、現在のエンジニア達のトレンドになっていると思う。プロジェクト進行はアジャイル開発を思わせる節がある。テストコードを先に書くことは、テスト駆動設計の先駆けだと思う。

銀の弾丸はない

メンローの喜びを生み出すための仕組みがどれだけ素晴らしいか理解できる。 しかしながら、その喜びを生み出す仕組みが万能の仕組みではないことを本書でも語られている。 それを忘れてはいけないと思う。

所属する組織に特化した喜びを生み出すには

所属する組織がどうすれば喜びを生み出せるのか考えてみる必要がある。そもそも、喜びを生み出せる環境なのだろうか?どうすれば現在の組織で喜びを生み出すことができるのだろうか?

リモートワークで発生させる喜び

この本に書いてある内容では、リッチはリモートワークを取り入れていない。私は今フルリモートワークの会社に所属している。フルリモートワークでは喜びを作り出す仕組みを入れることは難しいけど、取り組んでみることはきっと楽しいはず。エキサイティングだ。成功すれば一冊の本にできるかもしれない。

濃密な連携によるペアプログラミング

毎日ペアを組んで開発すること。これは、明らかに有意義な仕事であるに違いない。しかし、それがどれだけ疲れることか容易に想像できる。常にペアのことを考えながら仕事を進めなければいけない。それは自分だけの時間がないことを意味する。でもそれでいいと思う。ペアプロによって生産性が上がれば、組織と自分自身にとって良いことだと思えるから。

ただ、多くの組織では常にペアプログラミングする環境を作り出せていないと思う。隣り合わせで仕事することにより自然発生的な会話の流れでペアプロが発生することはあるが、リモートワークだとそうもいかない。ペアプロを発生させる仕組みを作っていくのは大事だと思う。

人は簡単には変われない

「流血、暴力、殺人」という表現があった。たとえば、私がこの言葉を言われた時、心折れずにいられるのだろうか。リッチも後ろのページのほうに書いているけど、人を変えることは難しい。私自身、実は何度か同僚との考え方が合わずに心折れたことがある。誰だってそういう経験はあるのかな。喜びの仕組みを同僚と共有するためにはカルチャーマッチする人材を雇用する必要があると思う。そういう話だとメンローの取り組みは合理的だ。彼らはカルチャーマッチする人材を雇用する仕組みがある。

ヒーローと知識の塔

私自身、ヒーローや知識の塔になりたくはないと思っています。本書に書いてある通り、知識の塔やヒーローに特定の作業が依存してしまうことによりその人は新しいチャレンジが出来なくなる。ついつい、忙しくてスキルトランスファーを忘れがちになるが、スキルトランスファーし同僚を信じることをもっと実践しないといけない。

日本にももっと心理的安全が備わった組織が欲しい

日本のプログラマー心理的安全が備わった組織を用意してくれる会社は少ないと思う。とくにSIerはそもそも客先常駐なので心理的安全なんてあるはずもないことをトラウマのように思い出してしまう。心理的安全を作り出すことができる人、そのものが貴重だと思う。

心理的安全は、批判が出てこない組織ではないことも意識しておかないといけない。心理的安全があるこそ、よりよい方向に導くための批判が出る。私自身強く意識しないといけない点だ。

忘れてはいけないこと

  • 一流のチームのルーティンの話
  • チームにコミットできる以上のコミットメントをチームから得ようと期待してはならない話

おわりに

これからも、ストレッチゾーンであり、達成感のある仕事に取り組んでいきたいです。役職や肩書きに左右されない自発的なリーダーシップを持ち続けたいです。自発的なリーダーシップを批判しない文化で仕事をしたいです。

以上です!

参考サイト